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宍道化石シンポジウムを開催しました。

2025年2月26日

  

 

日本初のウキエソ属魚類の化石として2024年に発表された深海魚「シンジウキエソ」に焦点を当てた「宍道化石シンポジウム」(主催:モニュメントミュージアム来待ストーン・宍道公民館)を2月22日(土)、モニュメントミュージアム来待ストーンを会場に開催しました。

 

シンポジウムは2部構成で行われ、午前中は小学生以下を対象としたワークショップ「来待石にシンジウキエソを描いてみよう」と「シンジウキエソ試食会」を実施。午後は基調講演が行われ、北九州市自然史・歴史博物館名誉館員の籔本美孝氏と島根大学名誉教授で島根半島・宍道湖中海ジオパーク専門員の野村律夫氏が登壇しました。

 

籔本氏は、シンジウキエソと現在のウキエソとの違いやシンジウキエソは、臀鰭(しりびれ)がより後方にあること、腹部の背骨が25個であるといった特徴のほか、これまで知られている化石も含めたウキエソ属魚類とは発光器の数で異なっている点が新種として認められた理由であることを説明されました。

野村氏からは、シンジウキエソの化石は1980年代に、当時中学校教員であった自身が、理科教育の夏季研修会で訪れた宍道町佐倉の崖で発見し、発見当時はニシン科の魚類化石と考えられていたため長年島根大学で保管されていたが、その後、北九州市自然史・歴史博物館の籔本氏に鑑定を依頼し、新種であることが判明したことについての説明がありました。

 

参加者からは、「シンジウキエソについて深く知ることができた」「化石に興味を持つきっかけになった」といった声や「シンジウキエソが宍道町で発見されたことに誇りを感じた」という声も聞かれました。